黄昏の千日紅





「私の名前、覚えててくれてますか?」





「…ひな」






先輩は、私の顔を一瞥してから名前を言うと、再び何処か遠くを見つめ直して、数字をぶつぶつと言い始めた。





私は名前を呼んでもらえたことに一人照れ笑いをしてから、彼にいつもと同じ言葉を投げかける。





「好きです。先輩」









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