黄昏の千日紅
翌日になると、私は先輩のことがどうしても気になってしまった為、担任の先生に彼について尋ねてみた。
すると、彼は私の二つ上の先輩で現在高校三年生であること。
そして、西棟にある特級クラスという珍しいクラスにいることが分かった。
その日から、私は樹先輩の元へと足を運ぶようになった。
先輩のことがただ知りたい、近付きたい、仲良くなりたい、単純にそんな欲求からだった。
先輩は、私のことなどまるでどうでもいい様子で、幾らこちらから話し掛けようが、自己紹介を勝手に始めようが、何も答えず遠くを見つめているだけであった。
しかし、私は根気強く彼の側にいた。
迷惑だと、邪魔者であると思われているかもしれない、頭の中ではそう思っていても体は言うことを聞かなかった。
何となく、ただ何となく、そうしなければいけないような気もしていた。