黄昏の千日紅
キキョウ
真夏の日射しが私を容赦なく照らし、肌がじりじりと熱を帯びていく。
森の木々から聞こえてくる、あの頃は煩わしいと感じていた蝉の鳴き声は、今では何となく心地が良い。
その声は、自分の短い寿命の価値とちっぽけな存在を主張しているのだろう。
その音が、この暑さをまた一層際立たせているようにも感じる。
何処にでもある、田舎の小さな公園。
木々に囲まれ、ベンチが離れた場所に二つと、滑り台、ブランコが一つずつ。
そして公園のど真ん中にある広めの砂場。
私と彼は、木陰にあるベンチに腰を下ろし、目の前の砂場で無邪気に遊ぶ子供の姿を見ながら微笑んでいた。
炎天下の中、偶にどこからか吹いてくる生温い風が私の髪を揺らし、頬をそっと撫でる。