黄昏の千日紅
だからと言って、仲良くなりたいとも、変に近付こうとも思ってはいない。
彼のことが気になっていないと言えば、真っ赤な嘘になるが、それは彼の本名を知りたいという気持ちと、胡散臭い笑顔が妙に引っかかるだけのこと。
私は昔から冷めた人間で、皆が注目する物に必死で飛びつこうと思わなければ、流行にも疎く、全く興味を示さない。
自分が直感で良いと感じたものだけを信じ、そして人に深く干渉することや群れることを苦手とする。
そんな生き方をしてきたからか、今はこの通り友人と呼べる人間は極僅か。
寧ろ居ないに等しいものである。