黄昏の千日紅
ハチと私の出会いは、中学生の時。
単純に私の一目惚れで、私がお付き合いを申し込むと、彼は蜂蜜色の綺麗な髪を照れたように掻いていた。
家族や周囲は皆、大いに祝福してくれて、私達が並んで歩いていると、微笑ましい表情で見守ってくれていた。
私はそれが嬉しかった。
ハチはふわふわとした雰囲気の持ち主ではあるが、どこか凛々しく格好良く。
しかしどこか放っては置けないあどけなさがあって、可愛いとも格好良いとも周囲からは大人気であった。
時に、風になびかれるとふわりと揺れる柔らかい蜂蜜色の髪の毛を、周りの人がそっと撫で、私はやきもちを焼いた。
女の私よりハチの方が可愛いだなんて狡いではないかと、彼に対して膨れたこともある。
街を共に歩いていると、通りすがりの人達は必ずと言っていい程に彼を見ていた。
「素敵ね」
「可愛いね」
見知らぬ人からそんな言葉を貰えた時には、ハチに代わって私が嬉しかったものだ。