黄昏の千日紅







” 君は永遠に僕の ”




こう書かれたルーズリーフが机に入っているのは必ず朝。




図書室や屋上で暇を潰し、幾ら放課後遅くなろうが、帰りの机の中に入っていることはまずない。




先生に相談をしたが、ただのいたずらだろうと、適当にあしらわれてしまった。
それに対して文句を言っていた飛鳥には笑ってしまったが。




考えられるとすれば、部活で朝練をしている生徒くらいであろうか。
それか、ないとは思うが、先生か。





毎日毎日、飽きもせずに根気強く入れられる人物と言ったら、朝早く来れる生徒であろう。



確信は全くないけれど。






「凛?」




「ああ、ごめん。何の話だっけ?」





私達は駅前のクレープ屋の前で、種類を選んでいる最中だった。





「んもー、話じゃなくて。凛はどれにする?って聞いたんだけど」




そう言って彼女は、子供のように頬を膨らませていじけている。





「あ、そっか!えっとね…チョコバナナ!」




「はいはい、どうせそうだと思ってた。凛はいつもチョコバナナだよねー。たまには違うの頼めばいいのに」




「いいのー、これが好きなのー」




「へいへい」






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