黄昏の千日紅






ばちっ、と勢い良く目を開けると、自分の部屋の茶色い天井が見えた。




まだ肌寒い季節なのに、体が汗でびっしょりと濡れていて、服が体に張り付いて気持ちが悪い。




あの夢は一体何なのだろう。
そしてあの男性は一体誰なのだろうか。








「シャワー浴びよ…」





時計を見ると、まだ朝の四時にもなっていない時間だった。




カーテンの奥はまだ暗い闇だ。
窓の外から聞こえてくる鳥の囀り、新聞配達のバイクの音。





私は布団から脱して、シャワーへと向かった。






いつもなら二度寝をするであろう時間だが、夢を見るのが怖くて、私はそのまま制服に着替え、そっと忍足で玄関へと向かう。



部活動の朝練をしている生徒達よりも、早い時間に学校への道を歩く。




こんなことは入学して、初めてのことだった。




まだ薄暗い朝の霧の中を、歩いて行く。
誰も居ない車の通りもない、田舎の道。




世界にたった一人になってしまったような、孤独な感覚に襲われる。







孤独。






孤独…?








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