黄昏の千日紅





その男子生徒の名前は、篠田樹。



もう一人の特級クラスに通う女子生徒は、雪宮澪というらしい。





僕が西棟へ行ってみたい理由は、単にその二人の天才的な才能が知りたいから。




もう一つは、雪宮澪のことが、なんというか、気になるから。






一度だけ、彼女を見掛けたことがある。





僕が委員会の帰りに担当の先生に用があり、職員室に行った際にその彼女が居た。



その時、僕は彼女が特級クラスの生徒である、雪宮澪だとは気付いてはいなかった。
顔を見たことがなかったからだ。




担当の先生と話が終わり、職員室を後にする時、ふと、彼女と先生が一言も会話をしていないことに疑問を持った。




そちらを見てみると何やら、二人は紙に書いて話をしているようだった。





その時、僕は勝手に悟ったのだ。








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