黄昏の千日紅
何も知らない彼女のことを気になるなんて、他人からすれば僕はどうかしていると思われると思う。
これが恋愛感情か、と聞かれればそうではない。
絵に対しての恋愛感情?
それも違う。
これが好奇心か、と聞かれればそうかもしれない。
ただ、何も知らない彼女に対して何らかの興味を持ったことは事実だ。
天才的な、と言われている特級クラスだが、本当は何か特別な理由があるのではないかと、僕は考えている。
本当は、彼等には障害があるのではないかと。
だからといって、偏見を持つ生徒などいるのか。
東棟と西棟に分けてまで勉強をさせるなんて、何だか差別のような気がしてならない。
そう思っていた。