黄昏の千日紅
心の奥底から、切なさと感動と、嬉しさが沸々と湧き上がる。
そして、彼女への愛しさが込み上げて、胸が今までに経験したことのないくらいに酷く熱い。
彼女の描く絵が、素人の何もわからない僕でも美しく素晴らしいと思うのは、彼女自身の心が清らかで、余りにも綺麗で、美しいからだ。
そんなこと、分かっていることだった。
だから君に近付いたんだ。
” 僕はね思春期の男子にしては少し声が高いんだ。そんでハスキーボイス ”
” んー、私はどうだろう。どちらかというと低めかもしれないな ”
” ええ!意外だね ”
” 人は見掛けによらないよ ”
” …ねえ、僕がさ、もしも… ”
” なぁに?”
僕の、この少し高めの声と、君の少し低めの声で会話がしたいよ。
そして、この溢れんばかりの愛を言葉にして君に伝えたいよ。
そうしたら、君はどんな声で返事をしてくれるのであろうか。