黄昏の千日紅
「いらっしゃいませ」
「いらっしゃいましたぁ」
「御注文はどうなさいますか」
「んー、君のハートがいいかな」
「ブラックコーヒーで宜しいでしょうか。宜しいですね」
「あ、スマイルください」
「お引き取り願えますか」
私は心の内で盛大に溜息を吐いた。
こんなくだらない茶番を、私達は月曜日のこの時間になると、毎週同じように繰り返している。
この目の前のおちゃらけた男は、ただの営業妨害をしてくる物体Xで、ある日を境に毎週のように来るようになった。