黄昏の千日紅
物体Xのような、軽薄で経済力もありそうな男であれば、女共が放っておかないであろうし、彼自身選び放題であろう。
いや、実際遊んでいるに違いない。
派手な女共との遊びに飽きてしまったから、偶には地味な女でも相手してみようか、とでも思っているのか。
少し童顔には見えるが、私より歳上であろう物体Xは、偶には年下に手を出してみるか、とでも考えたのか。
または何かの罰ゲームなのか、それにしては随分と長い罰だ。
いずれにせよ、失礼極まりない話である。
「ねえ、そろそろ番号くらい教えてよー」
「………」
「俺らの仲じゃん?ねぇ?」
「………」
何の仲だっていうのだ。
「ああー!店員さんが無視ですかあ。それはいけませんねぇ」
「……御注文は」
「だーかーらー、番号!携帯番号!」
「………こほん」