黄昏の千日紅





俺は、オーナーに感謝してもしきれない。




あの時、彼が俺を拾ってくれなければ俺はきっと、そのまま人生の終わりを迎えていた筈だ。




今思えば、正直あの時の俺は、死ぬことを怖れていたと思う。



心の片隅では、死という得体の知れないものに、恐怖心を抱いていた。





だからこそオーナーに救われた時、生きなければ、と、強く心に誓った。

ここまで歩いて来れた。







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