黄昏の千日紅
突然雨が止んだ。
重く腫れた瞼で視界が歪む中、俺の目の前に屈む一人の女性の姿が視界に入る。
心配したような、困惑の表情を浮かべ俺の顔を見つめている。
俺よりは、少し歳下か。
まだ若くて、穢れを知らなそうな綺麗な女。
すかさず彼女が鞄を漁り始め、俺に純白の綺麗なハンカチを差し出した。
俺は驚いて、呆然とその姿を眺めてしまう。
なかなか受け取らない俺に、痺れを切らしたのか、彼女は無理矢理俺の手にそのハンカチを握らせると、絆創膏を俺の顔に器用に貼った。
俺は、ただその彼女の一連の動作を見ているだけであった。