黄昏の千日紅





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店内が再び閑静に戻った時、私は棚から純白の紙袋を取り出した。




メモを取り出し、開いてみると、書かれていた文章を読んで、私は思わず苦笑を漏らしてしまう。




外を見遣ると、紺色の空が相変わらず広がっているが、今日は土砂降りの雨が降っていた。




すると、すっかり忘れていた当時の記憶が突然蘇って来る。





そうか、あの時の男の人が。





「意外と律儀な人…」





私の声とBGMだけが店内に虚しく響いた。







来週の月曜日も、彼は来るであろうか。




もし来たとしたら、これまでとは少々違う気分で彼を迎えることが出来るかもしれないと、心の内で静かに思った。








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