黄昏の千日紅






小窓から、その風船を飛ばしてみる。




ゆらゆらと、自由自在に自身を揺らしながら上へ上へと昇っていくそれは、少女の願望そのものだ。








遠くまで飛んでい行くそれを、小さくなって見えなくなるまで、いつまでも、いつまでも、ずっと眺めていた。









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