雨の怪物
「だって、お前、魔法使いじゃん。案外魔法とかで、犯人分かってるんじゃないの?」
魔法は万能ではない・・・と言うのは、悠人の言葉だが、それでもコレだけ何の進展もしない状況では、そんなものに頼りたくもなる。
「そうだよ!よく超能力捜査官とかやってるじゃん!それと同じ要領で、悠人くんの魔法で、先輩の居場所とかも見つけられないの?」
亜美さんがそれに乗っかる。
さすがは、噂好きの女子高生。
自らの危険も省みず、犯人探しをしようと言い出すか?
「・・・・・人探しの魔法はあるにはあるよ。」
なんと!
意外な言葉。
「マジで?」
そんなことを聞いたら、乗り気になるのも仕方ない。
「占いの応用みたいなものだよ。先輩の行動を予測して生年月日からバイオリズムを当てはめ、星の並びから運命論を導き出す・・・。もちろん、100%当たるわけじゃないけど・・・。」
おぉ!
・・・何言ってるのか、さっぱり分からないが、ようは出来るのだな?
「だったら!」
由紀がそこまで口にして。
「・・・・・・・・・・。」
悠人は無言で指を上に向けた。
天井?
ビスコの天井がどうかしたのか?