雨の怪物
二章
「悠人くん・・・。」
事件のこともあり、結局は四人で帰ることになった帰り道。
一番学校から家が近い、亜美さんを家に送り届けた後、不意に夢が口を開いた。
「なに?」
悠人は、目線を夢に合わせようとせず口を開く。
まるで、これから、なにを聞かれるのか分かっているかのように・・・。
「さっき、話したこと・・・嘘でしょ?」
え?
さっき?・・・さっき・・・ていつの話だ?
「嘘じゃないよ。」
しかし、悠人は何のことか分かっているらしく、即座に否定する。
「別に、深くは追求しないから、安心しなよ・・・悠人くんが、魔法で行方不明者の場所が分からない・・・なんてコトはないんじゃないかな?」
・・・・え?
「どういうことだ?」
思わず言葉に出た。
だって、さっきこいつは、『梅雨の時期は魔法が使えない』・・・と言った。
嘘なのか?
「・・・まあね。」
認めた。
まさか、こいつ!・・・本当に先輩の居場所を!