雨の怪物
「だったら、どうして!?」
あの時、言わなかった?
そこまで言葉にする前に・・・
「話したら、場所を追求してくるだろう?」
先手を付かれた。
夢は言った『深くは追求しない』・・・と。
つまり、それは悠人は先輩の居場所を知っているが、その場所を教えることは出来ない・・・という意味だったのだ。
口にしたら、間違いなく俺たちはそこに足を運ぶだろう。
興味本位で、自らの危険を顧みず。
いや、安易には行かないかもしれない。
だけど、好奇心には勝てない。
そして、それは・・・もしかしたら、自ら第四の被害者になりに行く行為であるかもしれないのだ。
だから、あの時悠人は、嘘をついた。
余計な気を使ってくれる!
「お前は、行ってみたのかよ?」
悔しいから、そんな質問をぶつけてみた。
「当然・・・でも、何もなかった。」
やっぱり・・・。
こいつは・・・俺たちには行って欲しくないからと、場所を黙っているくせに自分はばっちり足を運んでやがる。
あ~あ、こういうやつだよ、