雨の怪物
「・・・夢?」
突然手をつながれた。
「・・・由紀、先輩のことまだ好きなのか?」
突然、聞かれた。
いきなり、何を言っているんだ?
「さあな・・・1年の前のことだし・・・それより、お前は何で突然手なんて・・・。」
そこまで口にした途端、今度は身体を摺り寄せてきた。
え?
ええ?
一体、どういうつもりで・・・。
お前が好きな相手は俺じゃないだろう?
「後ろ・・・変な男がこっちを付いてきている。」
小声で言われた。
・・・・・え?
「マジで?」
言われて、後ろを振り返ろうとするが・・・。
「顔を向けるな!」
・・・あ、あぁ・・・
「ごめん。」
そうだな。万が一、目でもあったら大変だ。
それにしても、どうして夢を?
・・・って
「理由なんてないのか?」
不意にそんな言葉が口から出た。