雨の怪物

「理由?私を狙う理由がか?そんなもの、心当たりがありすぎて、わかんねぇぞ。」


 って


「おぃ!」


 あるのかよ!


「だって、見たこともない男から告白されれば、誰だってビビるだろう?私だって、怖いんだぞ。」


 あぁ・・・なるほど。


 そういうコトか。


 確かに・・・『見た目』だけなら、こいつは美人だからな・・・。


「ちなみに、何人?」


 とりあえず、質問してみるが・・・


「・・・えっと・・・。」


 両手を使い出したので、もう結構と、言ってやった。


「なんだよ?気にならないのか?」


「悪いが、俺は両手で数えるほど、女に縁がある人生を送ってないのでね・・・。」


 だから、正直こいつがこんなにも男に告白されているのかと思うと、うらやましくて仕方ない。


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