雨の怪物

「由紀、念のため聞いておく。場所はどこだ?」


 この悠人の質問は、何を意味するのか、おそらく今は考える必要はないだろう。


「ブタ公園・・・って言っても分からないよな。外町の住宅街にある、小さな公園だ。」


「・・・・・・・・・やっぱり。」


 その言葉に、悠人は何かに納得したようだ。


「なっ・・・ブタ公園って、あそこかよ。なんで私にも教えないんだよ!」


 家が近所である夢にしてみれば、ブタ公園は馴染みの場所。


 実際、彼女家からの方が、俺の家から向かうより近い。


「教えて、なんになるんだよ?・・・それより、悠人、やっぱりって・・・もしかして、お前の占いの結果も・・・。」


「あぁ・・・そこだよ。」


 返ってきた言葉は肯定の言葉。


「お前たちの家の近所だとは思わなかったけどな・・・。」


 そういえば、悠人は俺や夢の家の場所を知らないのだ。


 もし、近所だと知っていれば、何かしらのアクションを起こしていたのだろうか?


「なぁ、悠人、どういうコトだと思う?」


 非常に漠然とした質問だったが、こう聞く意外に言葉が見つからなかった。


「う~ん・・・まぁ、その前にお前たちに、占いについて、説明する必要があるのかも知れないな・・・。」


 なぜ、ここでそんなコトを行うのか、一切不明だったが、彼なりの考えがあっての行動だから、ここは黙ることにした。


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