雨の怪物
「人の行動パターン、心理状態、周囲の状況をつかめば、その人がどのような未来を進むのか予想するは容易いというコトか?」
夢がそんな言葉でまとめる。
「まぁ、そういうコトだな。だが、それだと『占い』ではなく、タダの『行動心理学』だろう?」
まぁ・・・ソリャそうだ。
「と言うより、プロファイリングというやつだろう?」
とりあえず、補足説明。
「あぁ・・・それだ。ごめん、言葉を忘れていた。」
肝心なところで・・・。
「で、お前が行う占いってやつは、そのプロファイリングだというのか?」
だとしたら、それは占いじゃなくて、プロファイリングと呼べ。
紛らわしい。
「早まるなよ。言ったろ、俺は魔法使いだ。8月生まれ、乙女座のな。」
どういう意味だよ?
「知恵の女神マーキュリーと、美の女神ビーナスに愛されし魔法使いか・・・お前、男に生まれて、残念だったな。」
夢さん、意外に詳しいっすね。
「男じゃなければ、『女神』には愛されないさ・・・さて、ここからが本番。占いと言うのは、相手が生まれた生年月日と時間を使う。」
・・・まぁ、星占いなら当然だろうな。
たまに、血液型と星座を照らし合わせた占いがあるが、そもそも血液型占いと言うのは、存在しない占いだ。
血液型の発見が既に、魔法が荒廃しかけた時代のため、発展できない学問だったからだ。