雨の怪物
「対象の生まれた、生年月日と時間・・・その時間に、星はどのように配置されていたか、そして、対象がそれぞれの人生の転機にどのような星のめぐりを行っていたか・・・。」
「ん?」
そこからよくわからないので、思わず口を挟む。
「つまり、この場合は琴美先輩だな・・・琴美先輩を中心にどのように星が動いていたのかを探るんだよ。」
「そんなコトが出来るのか?例えば、真昼に生まれた、子供はどうするんだ?」
この質問に対して、悠人と夢は同時に『はぁ~』と深くため息を付いた。
え?俺、今そんなに馬鹿な質問をした?
「あのな・・・悠人・・・昼間でも太陽の光によってかき消されているだけであって、星は出ているんだぞ。」
あ・・・そうだった。
太陽光が、あまりにまぶしすぎるためかき消されてはいるが、他の星もきちんと空に輝いているのだ。
つまり、悠人は昼間でも星の位置が分かる・・・ってよく考えたら、それって凄いな・・・。
「それでだ・・・ここからが重要なのだが、歴史の中には必ず『同じような星のめぐり』をたどった人間っていうのがいるんだよ。」
「・・・は?」
悠人の顔がキョトンとなった。
「つまり、先輩と同じような星の並びの中で生まれ、同じような星の並びで人生の転機を迎えた人間って言うのが、必ず過去に居るの。」
・・・それって、つまり先輩と同じような運命をたどった人間ってことか?