雨の怪物
「そんな、タダの噂・・・。」
口にして見るが・・・。
「火のないところに煙は立たねぇよ・・・悪いことは言わない。お前は二度とあの公園に近づかないほうがいい。」
それは、魔道師としての忠告か、それとも、友人としての忠告か・・・。
おそらくは、その両者。
そして、とてもマトを射ている忠告なのだろう・・・。
雨の雨の隙間の世界。
入ったら、二度と戻ってこれない世界。
そして・・・・そこから現れたのは・・・・・
・・・・・・・・先輩の姿をした・・・『何か』・・・・。
由紀は一瞬だけ背中が寒くなるのを、感じ取った。
結局、ここまで話したところで、終業のチャイムが鳴り、さすがに二時間連続のサボりはまずいだろうというコトになり、三人はそれぞれの教室に戻っていった。
それでも、由紀の寒気が取れることは、学校終了のチャイムが鳴るまで、取れることはなかった・・・。