君の瞳に映りたくて。



私は昔の思い出に浸りながらブランコに乗っていた。
今はどこの高校にいってるのか、彼氏は出来たのかなど昔の友達を思い出しながら。


「そろそろ行こ。なんか煮詰まった。」


「はは、そっか。
香坂、行くよー。」


「おう。」


またいつか、どこかで会えたらいいな。
名前もわかんないし、家もわかんないけどさ。
………顔もよく覚えてないし。


「春翔はなんか思い出せたわけ?」


「ううん。
でもなんかはあったんだと思うよ。
ね?」


「もう考えすぎて頭パンク状態。」


でもね、和泉が私のところへきた日より、遥かに思い出したことが多い。
だって、和泉が私のところへ来たときはサッカー好きだってことすら忘れてたんだもん。
きっともう少し。少しずつでもいろんなことを思い出してるんだもん。
………大丈夫、だよね…?


「で、そこに倒れてた、と。」


公園を出てすぐ、今度は香坂が足を止めた。


「公園を通りすぎてすぐだね。」


「やっぱあの公園で何かあったんだろうな。」


あの公園で………


「………ってことはさ、もしかして和泉はあの公園でなにかを見たんじゃないの?
なにかを見てたから、落ちた。」


「公園で何かあって、急いでこっちに来て勢い余って落ちたのかもじゃん。」


「あ、そっかぁ…」


難しいなぁ………



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