君の瞳に映りたくて。
「ねぇ、舞桜。」
「ん?」
「あそこのピンクのTシャツ着た、ちょいギャル男チックな男さ、見たことある?」
和泉の指差す先には、茶髪で、和泉と同じくらい焼けてる、派手で近寄りがたい男が一人。
「………ううん、知らない。
和泉知ってるの?」
「なんか…見たことある気がする。
見てるとすげーイライラするんだよね。」
イライラ?なんで?
「どうした?」
「あぁ、えーとね、
向こうの角の席にいるピンクのTシャツ、茶髪の人を和泉が見たことあるって言うの。
香坂見たことある?」
「…いや、俺は見たことないけど」
そっかぁー。
じゃあやっぱり和泉だけが見たことあるってこと…?
「聞いてくるわ。」
「え!?」
香坂は迷うことなく、その男…というよりその集団に向かって歩いていった。
………あんなギャル男みたいな集団なのに…。
怖いとかないのかな………
「なぁ。」
うわ、本当に話しかけてる…
「あ?俺?」
「そう。
和泉春翔ってやつ、知ってるか?」
「は?知らねーけど。誰。」
「いや、知らないならいい。
邪魔して悪かったな。」
………す、すごいね…。