君の瞳に映りたくて。
「なんの収穫もなかったー。」
「わっ!…もう、ビックリさせないでよ…」
瞬間移動じゃなくてさ、普通に飛んできてよね…
「ごめんごめん。
ただただ男同士の恋のお話だった。」
「恋のお話って…」
「あのピンクのTシャツの前にいるやつがたぶんチャラくて、ピンクTシャツがそろそろ一人に絞れよーってさ。」
へぇ、あのピンクTシャツの方がまともなのか。
絶対あっちの方が軽いと思ったよ。
「ピンクTシャツの方は付き合って2年の彼女がいるんだって!びっくりだよな。
人は見た目で判断しちゃダメだなー。」
「………あんな見た目なのにめっちゃ一途なんだね。」
「なー。俺もそれ思った。
しかもめっちゃいい男っぽいし!
それに舞桜の事可愛いって誉めてたよー。」
「うぇ!まじですか!」
「あはは、うぇ!って。」
「だってあの類の人は私みたいなの、絶対好まれないと思ってたから。」
「そう?まぁ今日の舞桜は特にかわいいしね。」
か、可愛いだって!!
「………なにまた顔赤くしてんだよ。」
「な、なんでもないです!!」
………本当はこんな近くにいられなかった。
こんな近くにいられて、毎日一緒で、こんなに仲良くなったんだもん。
…これ以上は望んじゃダメ。
やっぱり私は和泉が幸せならそれでいい。
もう、私は和泉にいっぱい幸せにしてもらったんだもんね。