君の瞳に映りたくて。
━━━━━━━━━━━━━━・・・・
結局、他に収穫はなく私たちは家へと戻ってきた。
「舞桜~、電気消すよー。」
「うん、お願い。」
和泉は衝撃波とか言うものを使いこなして、押すタイプの物なら大抵触れず操作できるようになった。
テレビのリモコンだけじゃなくて、ボタン関係は楽々押せる。
だから頼むことも増えたんだ。
「おやすみ、舞桜。」
「ねぇ和泉。」
「んー?」
「夜中さ、ここでテレビ見ていいから、ずっとこの部屋にいて。」
「え?いいの?」
「うん。」
「ありがと。じゃあここで観る。」
こちらこそ、ありがと。
なんかね、和泉にはずっとそばにいてほしくて。
「明日は舞桜、友達と出掛けるんでしょ?」
「あ、うん。そうだよ。」
「じゃあ俺、もっかいあの公園行ってみる。」
「え、一人で平気?」
「あのねぇ、舞桜。
俺は子供じゃないんだけど?」
「そうなんだけど…急に体に戻ったり…」
「大丈夫。
たとえ体に戻ったって、あの香坂ってやつ経由ですぐに連絡するし、戻りそうになったらすぐ舞桜んとこ行くし。
だから心配しなくていいよ。
体に戻ったら舞桜にはもう用はないなんて、そんなこと絶対思わないから。
むしろ、早く体に戻って舞桜にお礼しなきゃだしね。」
「………ありがと。」
「でももしなんかあったらすぐ呼んでよね。
舞桜がでっかい声で呼んでくれれば、俺んとこまで届くし。
って、やっぱ俺舞桜にとりついてんのかな?」
「えー、そしたらやっぱ私に恨みがあるんじゃん。」
「はは、ウソウソ。
明日映画なら早く寝ないとだな。
寝不足だと映画館で寝ちゃうからな。」
「………確かに。」
「じゃあ早く寝よ。おやすみ。」
「おやすみ。また明日ね。」
「うん。」