君の瞳に映りたくて。
***
………ん…
…あれ………今何時…?
あ、和泉………
「…おはよ。」
「え、あ、舞桜起きた?おはよ。」
「んー…今何時ー?」
「まだ4時過ぎだよ。眠いなら寝な?」
「んー…和泉はなにしてるの?」
「サッカー観てるんだよ。
この試合で今日は最後。」
「あ、私も観たい。」
「え?舞桜も?」
「うん。サッカーぜんっぜんわかんないんだけどね。
だから教えて?選手とか、ルールとか!」
「任せてよ。」
そうやってドヤ顔で言った和泉の顔はやっぱり輝いてて、どこまでもサッカーが好きなんだなって、すごく伝わってきた。
和泉が好きなサッカーを、私も好きになりたい。
「となり、座ってもいい?」
前までいつもすぐ隣に来た和泉なのに、なぜか今日は聞いてくる和泉。
「うん、もちろん。」
私はなんの疑問もなく受け入れるよ。
むしろ、もっと近くにって思っちゃう。
「あのさ、舞桜」
「んー?」
「舞桜って好きな人に告白しないの?」
「しないって。叶わないもん。」
「どうして決めつける?
わかんないじゃん。」
「…和泉はさ、絶対無理って思っても告白する?」
「俺はきっとする。
相手に別の好きな人がいても、諦められないじゃん。
後悔したくないなら。」
「………強いね。
私なんてフラれるのが怖くて、避けられたくなくてずっと言えずにいるのに。」
私はきっと、和泉に想いを伝えられる日は来ない。
和泉が優衣ちゃんのこと、大好きなの知ってるから。