君の瞳に映りたくて。
「うあーー!!負けたーー!!!」
私に解説をしながら、和泉は後ろに崩れた。
「ま、負けたの…?」
「俺が一番応援してるチームなの。
開幕早々負けるとか幸先悪ぃー。」
………RMか…
和泉はここのクラブチームがいちばん好きなんだね。
「はぁぁー。もう今日テンション下がるわ。」
「でもこれで終わりな訳じゃないでしょ?
次は勝つかもしれないし!」
「この一敗がリーグの勝敗を決めるの!!
優勝するとこなんかは全勝したりするし。」
「へぇ…そうなんだ。
でも終わったことは仕方ないじゃん。
次頑張るしかないよ。」
「まぁそうなんだけどさ…」
「………こうやって甘やかしちゃダメなのかな?
次、なんて思ってるから。
私も一回タイムが遅いだけで落ち込むし、乗り越えるの大変だもん。
一緒か。出だしが悪いのはよくないのか。」
「………サポーターができることは応援することだけか。」
「ふふ、そうだね。」
にしても、この試合だけでこんなに落ち込むなんて、和泉はほんとうに好きなんだね、サッカーが。このチームが。
「さてと、終わったし、どうする?
舞桜走りいく?」
「うん、行こっかな。」
「じゃあ俺もー。
俺、舞桜の事も応援してるし!」
「ふふ、ありがと。」