君の瞳に映りたくて。



それから私は着替えをして、エアコンタイマーもしっかりセットして、走りに出掛けた。

走ってきて帰って家が暑いの嫌なんだもん。


「今日も学校の方?」


「うん。いつも一緒。
よし、行こ!」


しっかり準備体操をして、体を温めてから走りに出掛けた。


「ねぇ、舞桜さ、子供の頃よく遊んでた子とマラソン選手になろうねって話してたんでしょ?
ならさ、大会とかで見かけたりしないの?」


「どうかな。会って思い出せるのかもわかんない。
少なくとも話しかけられたことはないけどね。インハイもベスト8までいったのにさ。」


「そっかぁ。」


会えるものなら会いたいけどさ。
本当に仲が良かったから。大好きだったから。

さよならも言えず、私はアメリカにいってしまったから。









「あれ、今日はもう帰るんだ?」


「うん、まぁね。
今日は遊びにいくから。」


「今日は何時にいって何時に帰ってくる?」


「えー、親みたいなこといってるよ、和泉。」


「だって一人じゃつまんないし!」


「それなら途中からくればいいじゃん?
私のところならすぐに来れるでしょ?
とりあえず待ち合わせは駅に10時で、11時から映画を見て、お昼食べて帰るって感じかな。
なるべく早く帰るけどね。」


「ふーん、わかった。
じゃあ暇になったら行くから!!」


「ん、わかったよ。」



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