君の瞳に映りたくて。



「あの…霊感が強いなら、どうすればいいのかとかわかりますか?」


「まぁケースバイケースです。」


「和泉は…怪我して今気を失っています。
今も目を覚ましていません。もう…6日になります。
どうしたらいいのかわかんなくて………」


「まぁ、生き霊ってとこですよね?
なんとなくそんな気はしました。
6日も…だと、恐らく身体の方はかなり危ない状態ですね。」


「そうなんです!
どうしたらいいのか全然わかんなくて…」


「生き霊は、恨みがある人に魂を飛ばせます。
あなたが恨まれてるってことはないんですか?」


「………彼とは同じクラスなんです。
でも、会話とかは全然なくて、関わりはなかったんです。
どうして私に見えるのか、彼がどうして私のところへきたのかは全然わからなくて…
それに彼、記憶があんまりなくてどうして怪我したのかも覚えていないんです。
怪我したことも調べてやっとわかった状態で…」


「え、記憶が?
………じゃあ、身体の方も記憶障害が出るかもしれません。
依然あったことが思い出せない、と。
もし目を覚まされたら意識を失う前の記憶を確認した方がいいですよ。
あと、記憶がないならまずは記憶を取り戻さないと……生き霊を戻すには基本的に恨んでる相手の幸せを心の底から願うことが一番なんです。
もしくは、きれいすっぱり吹っ切ること。
彼はまだ誰かに何かを恨んでる。
だからこそ、早く記憶を取り戻し、彼自身が乗り越えることです。
俺たちみたいに見える人は、その手伝いをするしかないんです。」


「………そう、なんですね…」


やっぱり記憶を取り戻すことから、か………


「意識が今でも戻っていないなら、きっと生き霊を飛ばしてることが影響してるので…体力の限界が来る前に戻らないと…」


「時間がない、ですよね…」


「彼が吹っ切れたとしても、身体に戻ることができなくなってしまいます。」


…本当に、急がないと………


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