君の瞳に映りたくて。



「彼は今どこに?」


「記憶を取り戻しにいろいろ行ってみるんだって。
でもなんかずっと一緒にいたからいないのがちょっと変な感じ。」


「美乃里は知らないんだね?」


「………うん。
言っても困らせちゃうだけだと思うから。
長谷川くんは?美乃里は知ってるの?見えること。」


「ううん、言ってない。
そもそも信じてもらえるか微妙な話じゃん?
美乃里って幽霊とかも信じない方だしさ。」


「まぁそうだけどさ。
でも長谷川くんの話なら信じるんじゃない?
まぁ話さなきゃいけないわけじゃないけどさ。」


「信じてもらえても、無駄に怖がらせそうだし。
俺もなんで俺がこんな見えるのかもわからないし
言う必要はないかなって。
まさか舞桜ちゃんも見える人だとは思わなかったけど。」


「私は和泉限定だもん。」


「そう?」


「うん。
そんなにたくさん見えたら逆に困るもん。怖くて。」


「はは、そっか。」


長谷川くんは怖くないのかな。
幽霊が見えて。…あ、でも和泉が前に、みんな優しい顔してるって言ってたっけ………


「あのさ、また和泉のことで悩んだら連絡していい?」


「うん、もちろん。」


「ありがとう。」



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