君の瞳に映りたくて。

和泉said




「お疲れー。」


「おう、お疲れ。祥也は?」


「もう帰った。」


「え、はや!じゃあ俺も帰るわ。
明日も練習あるんだよな?」


「あるある~。陸上部はもう休みだってさ。いいよなー。
俺らはラスト1日だけなんて…」


「ま、練習しなきゃ上手くなれねーからな。」


「春翔はもううまくなんなくていいじゃん。」


「諦めたらそこで終わりだっつーの!
じゃな。」


「おう。」


さてと、急いで帰って宿題やんねーと。
読書感想文とかめんどくせー!誰かの写したら即バレだし、やるしかねーんだけど。

せっかく図書室で本も借りたことだしな。


………そういや宮下のやつ、また忘れてたな。
ほんとあいつ、ツボすぎて笑いとまんねーし。

なのに、走ってるときはすげーいい顔してて。
好きなんだろうなー、走るの。


「あ、和泉~。
ちゃんと宿題やってこいよー?」


「先生~。
もう宿題は終わってるんだって!あとは持ってくるだけ!
俺が忘れないように祈っててよ。」


「ちなみに宿題忘れると、部活出させてもらえないから~。」


「げ!まじか!
それサッカー部だけ!?」


「いや、全員共通。」


へぇ…じゃあ宮下のやつ、忘れたら走れねーじゃん。
知ってんのかな。


「じゃ、気を付けて帰れよー。」


「先生もねー。」



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