君の瞳に映りたくて。



「今日はどこ行こっかなー。
大体のところ行ったもんねー。」


私は昨日杉山さんが作っておいてくれた素麺を食べながら、和泉といく場所を考えていた。


「今日くらい、家でゆっくりしなよ。
夏休みも今日までなんだよ?」


「え、でも」


「たまにはゆっくりしなよ。」


「………ありがと。
じゃあ食べ終わったら部屋でごろごろしよっかな。
寝ちゃいそうだけど。」


「でもさー、夏休みなのにちゃんと早起きしててえらいよな。
俺なんて夏休み、部活ない日は昼過ぎまで寝てたよ。」


「だって夏休み明けたら辛いもん。朝起きれなくて。
………え、待って…今部活ない日は昼過ぎまで寝てたって…」


「あはは、墓穴掘っちゃった。
どうやって驚かそうか悩んでたのにー!」


「えぇ!?じゃ、じゃあ和泉記憶が…」


「うん、実はね、昨日全部思い出したんだ。
なんで俺がこうなったのか、俺が誰を恨んでたのか。」


「え!な、なんで…誰に…」


「うん、でもね、俺もう吹っ切れてて、恨んでないんだ。だから俺もう時間がなくて、俺の身体、目を覚ましそうなんだ。」


「え!?も、もう!?」


「だから説明はあとでする。
でも今どうしても舞桜に聞いてほしいことがあって」


「…なに?」


「俺ね、舞桜が好き。」


「………え?」


「俺、舞桜に恋した。」



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