君の瞳に映りたくて。
新学期。
***
「よーーい、ドンっ!!」
青い空に、熱い陽射し。
今日も私は校庭を思いっきり走っていた。
「はぁ…はぁ…タイムは!?」
「11.9!自己新だぞ、宮下!」
「ほんと!?
やったねー!」
「どうしたの?舞桜。
調子いいじゃん。」
「ふふ、まぁねー。」
「機嫌も気持ち悪いくらいいいし。」
「よーし、もう1本走ろーっと!」
和泉がいなくなって、すっごく寂しかった昨日だけど、今日からまた毎日和泉が見られるんだもん。
それだけで十分。
「そういや舞桜~。
あんた智哉と連絡先交換したでしょ。」
「えぇ!?聞いたの!?」
「うん。恋愛相談に乗ってるって?
なんで智哉なのよー、私もいるのに!」
「い、いや男の意見も聞いておこうかと…」
「ふーん?まぁ二人が仲良くしてくれるのは大歓迎だけどね!
はい、もう1本いくよー?」
「はーい。」
「よーーい、ドンっ!!」
私はまた美乃里の掛け声で走り出す。