君の瞳に映りたくて。



「宮下。」


「あ、香坂おはよ!」


「ちょっといい?」


「え?あ、うん。」


………そういえば私たち教室で話すの初めてじゃないかい?
今まで目も合わせなかった私たちが二人で教室を出るなんて、違和感たっぷりじゃないかい?


………恐る恐る後ろを振り返ってみると、みんながものすごーくにやけて、私と香坂を見送っていた。

完全に勘違いしてるね、あれは。


「あのさ」


「うん。」


廊下に出るなり、香坂は話し始めた。
こんなガヤガヤしてて、人の多いところで。


「………春翔のこと、なんだけど」


「あぁ!そうだ聞いて!!」


「いや、今俺が話してんだけど」


「ちょい屈んで屈んで!」


相変わらずテンションの高い私に、少しだるそうな顔をしてる香坂だけど、私はそんなの気にしてられない。


「で、なに」


「あのね、昨日和泉が消える前に、私和泉に告白されたんだけど!」


「………は?
え、まじで?」


「まじなんです。
私も昨日1日いろいろ考えたんですけど、まじなんです。」


「なんなんだ、そのキャラ。
………でも、その話聞いたら余計言いづらいんだけどさ…」


「あ、祥也おっはー!」


そうやって香坂の背後から聞こえる私の大好きな声。
そして近づいてきた私の大好きな和泉。
………と、隣にはいつものように優衣ちゃん。


「………え?」


「あぁ、はよ。
ちょい今大事な話してっから。」


「あ、舞桜ちゃんおはよー!
なになにー?二人とも朝からお熱いですねー!」


「え?」


………あ、そういえば前に香坂が優衣ちゃんに付き合ってる発言してたな、確か。


「いいから、二人とももう行って。」


香坂が固まる私の前に立って、二人を押した。



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