君の瞳に映りたくて。


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「つーことで今日はこれで終わり。
明日から普通授業だからなー。」


あー、終わった終わった。
半日でも長かったー。


「香坂!
数学教えてー!」


「…今度は宮下かよ…」


………ほんと、こいつらいつからこんな仲良くなったわけ?
前は会話なんて全くなかったくせに。


「いいじゃん!
お昼おごるからさー!」


「断る。」


「なんでー。
前読書感想文の書き方教えてあげたじゃん!」


「ネットで調べただけだろが。」


………読書感想文の書き方を教えた?
こいつらいつからそんな仲良くなったんだよ。
俺が寝てた間に、いったい何があったんだよ。


「香坂のケチ。」


しかも祥也相手にこんなこと言うやつ、初めて見たし。


「俺はこれから部活なんだっつーの!
………ちょうどいいじゃん。二人でやれば?
春翔は数学出来るし、宮下は英語できんじゃん。」


「は!?」


あ、なんかあからさまに嫌な顔された。
もしかして俺、嫌われてんのかな。


「お互い教え合えばいいだろ。
じゃーな、俺は部活だから。」


「ちょ、香坂!」


………おーい、置いてかれた俺らはどうするんだよー。


「…じゃあ、一緒にやります?」


俺が立ち上がって一歩宮下に近付いてそういうと、宮下は目を泳がせて、完全に戸惑ってる。

明らかに俺のことを避けてる気がする。
………まともに話したことなんて1回しかないのに、いきなりこれじゃさすがに戸惑うか。


「俺飯奢るし、英語教えてよ。」


でも、俺は前から宮下と話してみたかったんだよ。
こんなチャンス、逃せねーよ。


「え、や…でも…優衣ちゃんに悪いから。」



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