君の瞳に映りたくて。

私と和泉と宿題と。



***


………で、なんでこんなことに…。
私もう和泉と話す気なんてなかったのに。


「なんでそんな離れて座るの?」


「………誤解されたくないから。」


結局、コンビニでご飯を買って、私たちは図書室へ来た。
和泉がすごい強引だったから、誤解されにくいここで。


「そんな俺といるとこ見られるの嫌なの?」


「………和泉は優衣ちゃんに誤解されてもいいの?」


「やましいことなんてないじゃん。」


「それは、そうだけど…」


でももう私はさっき美乃里の宣言してきた。
和泉は諦めて、他に好きな人を作ると。

なのに…和泉と仲良くなったら諦めがつかない。
もう和泉と関わるのはやめると決めたばかりなのに………


「あのさ、宮下って祥也と付き合ってんの?」


………宮下、か。
もう舞桜って呼ばれることもないのかな。


「付き合ってない。」


「え、そうなの?」


「優衣ちゃんから聞いたんでしょ?
たまたま二人でいるところを優衣ちゃんに見られて、なんで二人でいるのか聞かれて、その時はちょっと複雑で理由を優衣ちゃんに話せないから、香坂が適当にそう言っただけ。
だから優衣ちゃんに訂正しといて。嘘ついてごめんって。」


「なんで二人でいたの?
いつから仲良いの?」


「それは………」


和泉のためじゃん。
…ほんとに覚えてないんだね…。


「和泉には関係ないから。」


なんにも覚えてないなら、私には突き放すことしかできないよ。



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