君の瞳に映りたくて。



「………俺の事嫌い?」


「え?」


「さっきからずっと俺を避けてる。」


「………嫌い。私は、和泉が憎くて仕方ない。
ずるくて、自分勝手な和泉が憎くて仕方ない。」


ごめん。
でも、私はそれだけ本気だった。
勝手に私の前に現れて、勝手に好きだと伝えてきて、勝手にいなくなって、勝手に忘れた和泉が憎くて仕方ない。

………でも、そんな和泉をまだ好きな自分が一番ムカつく。
好きで好きで仕方ない。


だから、もう嫌われるしかないんだよ。

………でも、本当にずるいのは私かもしれない。


「私帰るね。
これ、英語の写せば。全問正解だよ、絶対。

帰りに机の中に入れといて。じゃーね。」


嫌われたくない、突き放せない。
和泉に優しい子だと思われたい私は、誰よりもずるい。




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