君の瞳に映りたくて。
「で、宿題は終わったわけ?」
「終わった。」
「読書感想文も?随分はえーな。」
「あいつ…俺のこと嫌いとか言っときながら英語の問題集貸してくれたんだよ。
しかもさ、あいつなにか書いてるなーと思ったら、読書感想文の書き方とか本の選び方とか書いてくれてたんだよ。
よくわかんねー。」
「で、春翔はなんでそんな機嫌が悪いわけ?」
「何でって、そりゃいきなり嫌いとか言われたら」
「っていうかなんでそんな会話になったわけ?」
「明らかに俺のこと避けてたから、俺の事嫌い?って聞いたら嫌いって言われた。
ずるい和泉が憎くて仕方ないってさ。」
「ふーん…まぁ、気持ちわかんなくはねーけどな。」
「だからわけわかんねーって。」
「だからお前は嫌われるんだよ。」
「はぁ?」
「ま、別にいつも通りでいいんじゃん?」
「いつも通りって?」
「会話もなく、挨拶もなく、目も合わせない。
遠くから見てるだけ。
だいたい春翔って宮下の走ってる姿と忘れ物してる姿が好きなだけならそれで十分じゃねーの?
嫌われてたって関係ねーじゃん。」
「それは、まぁそうなんだけど…」