君の瞳に映りたくて。
「ほんっと最近香坂と仲良いよね。
ほんとに付き合ってないの?」
「美乃里もしつこいねー?
全然そんなんじゃないってば。」
「和泉とは…あんなに近くにいても会話ないの?」
「はは、ないない。
それに和泉はもういいんだってば。」
「………そのわりにサッカー部の方に視線がいってるけど。
ほんとはまだ好きなんでしょ?」
「………。」
「あんたは私の親友なんだから、そのくらいわかるっつーの!白状しなさい!」
「…でもね、諦めようと思ったことは本当だよ。
もういいの。ただまだ気持ちが追い付いてないだけ。」
「でも、あんたのタイムが遅くなり始めたのは夏休みが明けてから。
なにかあったんじゃないの?」
「………まぁ、あったといえばあったんだけど
もう大丈夫だから。」
「でた、"大丈夫"。
ほんっと口癖だよね、あんた。
私は舞桜の友達でしょ!?
なんでなんにも話してくれないの。」
「………だってね、美乃里
夢だったと思いたいことでも口に出したら、それが現実だったと思い出しちゃうから。」
あの日から、私はもう泣かないと決めたんだ。
それなのに、口に出したら涙まで溢れ出してきそうだから。
ごめんね、美乃里。
もう少し気持ちの整理がついてから話すから。