君の瞳に映りたくて。



「で、どうすんの?
俺チャリだけど後ろ乗ってく?」


「走ってこっかなー。」


「制服じゃん。」


「………やっぱダメかな、スカート。」


「まぁ宮下のことなんて誰も見てねーと思うけど。」


「もー、ほんっと失礼!
一応女の子なんだけど!」


「一応な。」


「うるさいわ!」


「ま、いいじゃん。
後ろ乗ってけよ。」


「バレたらどうすんのー。」


「大丈夫だろ。
少し先で乗れば。」


「ま、それもそうだね。」


最近、香坂といるとほんと楽だし楽しい。
全部知ってるから変な疑いをかけられることもないしね。

最初はビビってたけど、香坂も仲良くなれば本当にいいやつ。
初めての男友達だ。


「ってかさー、香坂は好きな人いないの?」


「またそれかよ。
この前春翔にも聞かれたわ。

俺はそういう面倒なのは無理。
とくに、宮下見てるともっと無理。

それに俺、女と仲良くねーし。」


「ここに女の子いますよー」


「………惚れてほしいわけ?」


「いや、いいです。」


「俺もない。安心しろ。」


………それもどうなのよ。
ちょっとは悩んでよ。



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