君の瞳に映りたくて。



いつものコースを一周走り、ラスト直線。曲がり角もなにもないここをダッシュするのも大好きで

「よーい、ドン。」

小さく自分に合図をして、全速力。
これがなんとも気持ちいい。


………え。
え!?ちょ、まっ………なんで…?


なぜか家の前で座ってる…和泉。
あなた、和泉ですよね?
なんでうちの前に………


………考えても始まらない!!
このままじゃ家にはいれない!!

よ、よし。
頑張れ、自分。


「お、おはよう。
え、と…ここ私の家なんだけど、和泉はここで何してるの?」


よ、よし!話しかけたよ!
和泉こっちみたよ!

あぁ、目があったのも入学式ぶりだよ………


「………俺のこと、見えるの?」


「………………へ?」


え、見えるの?どういうこと?見えますけど。

と、とりあえず私もしゃがみますか………


「い、意味がよく…わから、な…」


ちょ、待って…
座ってらっしゃると思ったけど………
おしりが地面についてないんだけど………


「…ええぇぇぇぇ!

う、浮いてる!?」


え、な、なんで!?
なにこれ!どういうこと!?



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