君の瞳に映りたくて。


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「つーこと。わかったか?」


「あー、わかった。
とりあえずこの公式を覚えなきゃいけないんだね!」


「数学なんて公式さえ覚えちゃえば簡単なんだよ。」


「でもねぇ…私記憶力悪いから覚えられるかなー。」


「あー、宮下には無理かもな。」


「うっさい!
絶対いい点とってやる!」


もう維持でも覚えてやる。
絶対香坂、見返してやる!!


「あのさ、春翔に嫌いって言ったんだって?」


「あー、言いましたね。
ムカついたから。」


「なににむかついてんの?」


「なんにも覚えてないから。
私、和泉のために夏休み1週間潰して、宿題だって「それは言い訳だろ。
普通に忘れてただけだろ。」


「………まぁそうなんだけどさ。
こっちの気も知らないでさ。
話しかけられるのが辛かったんだよね。
嫌いって言えばもう話しかけられないかなって。

………それから本当に話しかけられなくなって、前に戻ったみたいで」


「戻ってねーよ。
少なくとも、宮下は宮下で傷ついてるし、
春翔だって、宮下に嫌いって言われてかなり傷ついてる。

もう戻ることはできねーよ。」


「…和泉は友達いっぱいいるんだから、むしろ私なんかが嫌いなんていってて生意気なんだよ。
私なんかが何言ってんだよって感じでしょ。」


「それは春翔も一緒なんじゃねーの?
宮下も友達いっぱいいんじゃん。

………さすがに嫌いはやめたほうがよかったんじゃね?」


「謝った方がいい?」


「それは宮下が決めることだと思うけど。」


「なんだそれ。
………まぁ、私の気持ちの整理がついたら、かな。」


今仲良くしても、また好きな気持ちが増えるだけ。
今は自分のことしか考えられないや。



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