君の瞳に映りたくて。

和泉said



***


「チッ…くそっ!」


ぜんっぜんきまんねー。
決まったところに蹴れねーし、リフティングも全然続かねーし
………そもそも集中力が続かねー。


「へったくそだな。」


「………祥也か。」


「こんなところで練習かよ。」


「俺はここが好きだからな。」


この河川敷は昔から好きだ。
人通りはまばらだけど、多すぎず少なすぎずで。


「にしても下手くそだな。
初心者かよ。」


「うるせーよ。」


「彼女は?」


「さぁ?用事があるんだと。」


「さっぱりしてんな。
前だったらいじけてたくせに。」


「そうか?こんなもんだと思うけど。」


「頭ぶつけて性格まで変わったんじゃね?」


「そうか?
じゃあもしかして俺ってもっと頭良かったんかな。」


「それはない。」



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