君の瞳に映りたくて。


━━━━━━━━━━━━━━・・・・


「ねー、今日ご飯行かない?」


「おう、いいよ。」


今日も部活が終わって、部室にはもう俺と優衣だけ。
もう19時、さすがにみんなも帰った。


「春翔ってさ、一番うまいのになんでそんな練習するの?」


「んー、だって俺よりうまいやつなんていっぱいいるし。
北高サッカー部もやられっぱなしじゃダメだしな。

ごめんな、お待たせ。行こ。」


「もーお腹ぺこぺこだよー。」


「ごめんごめん。
俺もすげー腹減ったわー。」


「春翔がこんな時間まで練習してるからでしょ!」


「はは、そうだけど。
あ、部室の鍵返しに職員室寄るけどいい?」


「うん!はやくいこ。」


俺はやっと部室の窓を閉めて、荷物をもって部室を出た。


「おい、まだかよー。」


え?


「ごめん、あと1本だけ。」


………宮下…まだ走ってたのか。
しかも祥也と。


「あの二人ってさ、本当に付き合ってないの?」


「…まぁ、祥也はそう言ってたけど。
でも宮下って男子と話さないじゃん?
だけど祥也とは仲いいし、実際はどうなんだろうな。
行こ。」


「ねぇ春翔。」


「んー?」


「春翔ってさ、いつも舞桜ちゃんのこと見てるよね。」


「はは、バレてた?
でも好きとかじゃなくて、きれいに走ってるなーと思ってるだけ。」


「へぇ、そっか!
………舞桜ちゃーん!」


え、話しかけんのかーい!
若干気まずいんだけど。


「あ、優衣ちゃん。
まだいたの?」


「春翔まだ練習してたんだよー。
でももう帰るとこ。
ね、春翔。」


「おう。」


宮下、ぜんっぜん俺の事見ないし。
どこまで俺を避けてんだよ。


「舞桜ちゃんも早く帰りなよー?
遅くなると危ないよ?
祥也くーん、ちゃんと舞桜ちゃんを送ってきなよー?」


………この二人がな…



< 170 / 500 >

この作品をシェア

pagetop