君の瞳に映りたくて。



「いっでででで!
は、離せよ!」


「誰が離すか!テメー、何してたんだよ!」


………和泉…なんで…?


「おい、大丈夫か!?」


「………香坂…うん、和泉が来て…」


「あ、祥也ちょうどよかった!
警察に通報しろ!」


「おう。」


香坂は私からその男が見えないように立ってくれて、警察もすぐに来て、男を連行していった。


「大丈夫?」


私に声をかけてくれたのは、優しそうな婦警さんだった。


「…はい、大丈夫です。」


「ケガしてるじゃない!
すぐに病院へ行きましょう。」


「大丈夫です!そんなに深くもないので…」


「ダメ!血もまだ止まってないし、傷が残ったらどうするの!
女の子なんだから。ね?」


「…はい、わかりました。」


「そこの二人はもう帰っていいわよ。
この子は、私たち警察が責任を持って送り届けるから。
それに、こういう時は男の人の近くにはいたくないものだから。
通報ありがとね。」


「わかりました。」


「あの!
………二人ともありがとう。」


「ごめんな、やっぱ送ればよかったな。」


「香坂のせいじゃないから。
ごめんね。自分を責めたりしないでね。
………和泉もほんとにありがとう。」


「あ、うん。」


「行こっか。」


「はい。」


二人とも私とは目を合わせない。
その理由はわかんないけど……



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