君の瞳に映りたくて。



「あの二人のどちらかが彼氏?かな?」


「い、いえ!違います!
ただの友達…それと、ただのクラスメイトです。」


「でも、ただの友達とクラスメイトなのな、あそこまでできるのかな。
犯人はナイフを持ってたわけだし…きっと、相手は大切に思ってるんじゃないかな?」


「そう、ですかね…」


「なかなかできることじゃないよ。
本当に勇気があって、あなたのことを大切に思ってなきゃ。
だって、私たち警察官でも怖いことってあるもの。
あの二人は本当に勇敢だと思うわ。」


「………そうですね。
明日、またちゃんとお礼言います。」


「大丈夫?明日会える?」


「…大丈夫です。
あの二人は怖くないです。」


「そう、よかった。」


走るパトカーの中、私は婦警さんとそんな話をし、病院で10針縫われ、婦警さんにまた家まで送られた。


「明日、署まで来れる?
学校終わったらでいいから。」


「………はい、わかりました。」


部活は行けない、かな。
仕方ないか。


「ごめんね、話聞かなきゃいけないんだ。
でも、私が担当するから安心してね。
おやすみ。」


「はい、おやすみなさい。」


私はパトカーから降りて、家の門をくぐった。
家に帰っても一人。
杉山さんはいるけど、すぐ帰っちゃうから。



………今は一人が怖かった。
こんな時、和泉がいてくれたらって、そんなことをまた思い出しちゃう。
そんなの、無理なのにね。


『俺が守るから』


………和泉…
幽体じゃなくてもちゃんと助けてくれたね。

来てくれたのが和泉で、私本当に嬉しかったよ。


明日、ちゃんとお礼を伝えなきゃ。



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